いろいろな不思議な世界 2003-10-18

「うちの犬は世界一可愛くて、世界一頭がいい」と兄。 「世界一可愛いことは確かだけど、のどかだから世界一頭がいいとは思えない」と私。宴会で隣に座った女性、飼っている愛犬のテレホンカードを何枚も見せてくれ、コマーシャルにも出たという、自他共に認める美犬で確かに可愛い。皆犬の飼い主は自分の犬が世界一可愛いと思っているのだ。この見ている世界は私の世界なのだと思う。

人それぞれ個別に世界があるのだ。会社員や役人は朝から晩まで会社や役所の世界。政治家は政治の世界。それぞれ自分の世界の中でこれは正しいなどと判断しているのだ。

本で読んだり、テレビで見ること、インターネットでアクセスすることで知識としての世界は広がる。実物を見ること、体験することで世界がより深くなる。人と交流することで他の人の世界をも知る。

ブッシュが戦争を起こし、石油成金や武器製造者にとってブッシュがいい人であり、侵略された者やアメリカ人でも殺された兵士の家族にとっては悪い人だ。ブッシュは大統領の息子として育てられ、貧困などを体験したことはないだろう。

小泉首相をはじめ多くの政治家は政治家二世、三世が多い。普通の労働者として働いた体験もないのだろう。そういう人々が決定権を持つ世の中だ、だからおかしな世界になるのだろう。レールに乗れない人もいるし、一度レールからおりたらレールに戻るチャンスはない。社会の権限を持つ人は狭い世界の中で朝から晩までまっしぐらに登りつめた人。テレビで解説する著名人も特別な人、知識だけで庶民の実態がよくわからず偉そうに語るのだろう。

私は会社を辞めてから、大学付属の研究所の非常勤職員として6年以上働いたのだが、今年の11月に3年契約が切れるということで辞めなくてはならない状況になった。利益追求のために曲がったことはしなくていいし、ハードワークでない。純粋な研究者などがいて、賃金が少なくても私にとっては居心地のいい職場だった。最低限の生活を維持しながらコンピュータや語学が好きな私にとっては趣味の延長にもなり、会社員を経験したからこそ味わえる喜びであった。

以前会社員の世界しか知らない私はストレス解消に1万円のディナーもよく食べたものだが、今は収入が少なくても百円の回転寿司を留学生らに奢ったり、後進国のストリートチルドレンと分かち合う豊かさを噛み締めガラっと違う生活になったが精神的には豊かになった。デフレの時代、本当に節約しながら効果的にお金を動かすサバイバル術を身につけたと我ながら感心する。それだけ経済的な待遇は悪いが、奉仕の精神でデータベース作成、ホームページ制作、ネットワーク構築、本の編集、CD制作、様々なソフトを習得し英語や仏語まで使いながら、高度な技術から単純作業まで何でもこなした。いろいろな方が延長に関し疑問に思って検討してくれたのだが、規則は規則で形式的、個々の個性は全く無視という結論で、同じ状況の人々の社会問題になっているようだ。サラリーマンしても異動があるが雇用が保証されたり退職金もあるが非常勤にはない、愛する職場やいい人々と別れ卒業か、淋しいけど私はあまり執着もしていない。しかしここで働いている人々は、僅かな収入であっても実は生活のために働かなくてはいけない弱い立場の人々ばかりなのだ。

思えば、私が大学を卒業する時代、就職は女性にとって狭き門であった。私は理系で私の年から男と同じに入社試験を受けさせてもらった。文系女性は百倍、二百倍の難関を突破した才色兼備ばかりだった。そこにあぶれた女性たちや、大学院まで進学した女性は行き場がなく、アルバイトで過ごしてしまうのだとわかった。向学心のある女性などが同僚で質はとてもいい。男も働いた時があったが、「こんな低賃金で人を使えると思うな」と怒鳴って、ドアを蹴っ飛ばして出て行った。できない男性が出世しているのに、できる女性はチャンスがないまま埋もれ、それでも失職する。できる女性は実は独身だったり、子供を一人、二人育てる母子家庭であったり、夫が不況下の自営業だったり、夫が脱サラしてフリーライターになったり、夫がサラリーマンといえども今やリストラやらでもう当てにはならなくなっている。僅かな収入でどうでもいいように役人は思うのかもしれないけど、皆生活がかかっているのだ。しかも予算はあるのだ。この規則は平成12年決められ、これが構造改革という名のものなら泣くのは底辺の弱い立場の人々ばかりだ。安定している人には庶民の状況などわからないのだろう。

HPより他から抜粋 以前より在職している時間雇用非常勤職員の雇用期間については、一律に平成12年4月1日を始期とする最長3年間の雇用期間とすることになった。 という一方的な決定を下し、何年にも渡って任用更新され続けていた多くの非常勤職員を、平成15年3月31日で解雇しようとしています。臨時的季節的と位置づけられ、待遇も悪く、ボーナス、退職金もなく、常に不安に脅かされながら働き続けています。

日本の元気がないのは女性の能力が活かされないというのも原因の一つだと思う。要らない道路ができたり、立派な建物ができるより、はるかに安くて社会のためになる人材の雇用を維持することが必要だとしみじみと思うこのごろだ。

本当は日本を拠点に働きながら、ボランティア活動を行なっていきたいと思っていたのだが、このような状況になるとネパールや海外に飛び出してしまおうか?日本を元気にするために私たちに投資してくださる方や、活かしてくれる人がいないものでしょうかね、、、?