母の退院  2002-7-21

 母が退院した。外科の入院は僅か10日の短期間限定であるからこそ、私は可能な限りお見舞いに通った。意志さえあれば、なんとか時間も作れるのだと実感した。

 病院に通い、入れ替わり立ち代わり短期間で回転する家族像を垣間見る。しみじみ思うのは時代の変化。母の世代は家族が守られ、両親が揃い、殆どの妻が専業主婦で、普通の典型的な家庭。そんな家庭で私たちは甘やかされて育てられたのだ。戦後の苦労があったが、両親たち世代の今、年金もあり子供もいて医療も優遇され、恵まれた老後といえる。しかしその後に続くのは、多様な家族形態。本当に離婚も増えたのだと驚く。右上がり経済が崩れ不況も延々と続き、先が読めない世の中になった。私たち世代は日本の会社で男と同じに働こうと思えば、長時間労働で独身となりがちだし、結婚しても子供の数が少ない。自由がきくパートにすれば経済的自立が苦しい。若い人は留学したり、海外移住を希望する人も増えた。日本の中でベンチャーを志してもなかなか成功しにくい。年齢制限があり、中高年の雇用も困難だ。となると、私たちの老後や、日本の将来はどうなるのだろう。

 アメリカでは海外移民でき、チャンスが与えられているからアメリカで成功したら、豊かな生活が実現でき、アメリカに留まりたい人が多いそうだ。有能な人材には容易く市民権も与えられ、今のアメリカを支える。日本に来ている多くの外国人はお金を稼ぐというのが目的となりがちで、住みやすくもなく豊かな生活が得がたいので、ある程度稼いだら戻る人も多いと聞く。日本に留まって猛烈に働き、自分のことだけでせいいっぱいだと、豊かな生活が得られないで、このまま老人大国になっていく。

 ミーナさんの連続女性講座は面白かった。アジア、アメリカなど世界の女性たちのことも勉強した。今の日本の女性たちは殆どが、低収入クラスを占め、フルタイムで一生懸命働いてもミドルクラスにしかなれないのだと認識した。男女同権で男のように働くアメリカ女性は若い世代のみが低収入クラスなのだそうだ。頑張るアジア女性と比べて、日本人女性は働く必要がないほど恵まれているのか、男に時間がないから役割分担で家事を担うのか、意欲がなく自分の生活さえ困らなければいいと思うのか、社会が受け入れ体制がないから諦めるのか、夫婦単位の法律があるためか、女性の社会的地位は極めて低い。女性の活性化は社会のためにも大切であり、今後はグローバルな視点でものごとを考えなくてはいけなくなると思う。

 社会のシステムが変化する以上に、生活は急変している。先が読めずに、何が起きても不思議でない世の中となった。安定は期待できず、何が起きてもどう操縦するかが重要になってくる。

 様々なことが関わりあっていく。自分のことだけ考えさえすればいい時代は終わったと思う。今余力のあるうちに他を育てる必要性も感じるのだ。知識だけで理屈を言って、どんな偉ぶっても何も始まらない。一歩でもいいから一人ずつ行動することが大事なのだと思う。他人のせいに、社会のせいにするのでなく、どうあれ自分がこの世の中を創っている責任もあることを忘れてはならないし、自分でも努力しなくてはいけないと感じた。