シーラカンスと進化 2006-6-10

タンザニアから贈られ、昨秋、はるばる日本まで運ばれた貴重な「生きる化石:シーラカンス」に関わる仕事をたまたま最近することになり、興味津々、しみじみ進化というものを考えてしまった。

シーラカンスは 4 億年前から殆ど構造を変えず現在まで存在する進化の遅い「生きた化石」。四肢動物の祖先に近い魚で、両生類に進化した分岐点の生物。小さな脳で、脊柱を持ち、硬いとげや突起したうろこにおおわれた全長1m〜2m。緩慢な動き、遅い遊泳速度にもかかわらず、生き残るのは、光の届かない海中洞窟に住むため。物質代謝はゆっくり、少ない食物、僅かなエネルギー消費で、獲物の少ない辺境の生息地で新しい硬骨魚類の魚の競争に勝ち、生き延びた。

日中、水深170mから230mのところにある溶岩の洞窟の中でじっとしている。洞窟は水流や外的から身を守り、3,4匹が同じ洞窟で暮らす。洞窟には半底生の魚が住み、外的の目をくらますために進化した体の模様は、獲物の目もくらます。夜間、餌をとるため、水深160mから700mの間を斜面に沿うように行き来する。もっとも居るのは200m〜300m付近で、テンジクダイ類、フカカサゴ類、ヒカリキンメダイ類がいる。視角頭部先端の特別な電気受容器で獲物の動きが作る電場を感知して位置を知り、夜の闇で狩猟する。

以前は淡水や浅い海でも生活していたがサメ類などがいるので生存競争を避け、今では深海、暗黒で高圧、低温で厳しい環境に適応し、絶滅を免れサバイバルしている。分布域周辺から新しい世界へ分布を拡げ、悪環境を克服しながら新天地を開拓し、深海に住むようになった個体群だけが生存。卵を産まず、雌の胎内でふ化し、弱い時期には母親の体内で過ごし、 40 センチに成長した幼魚を産む。

生物にとっての最良の環境とは、特殊化していない生物が多く、多種多様生活する場所。変化の少ない温度、水圧、餌、安全な環境。生物は種類が増え、新しい環境を開拓しながら枝分かれする。環境変化が起きると、生物は適応するか、絶滅する。生物は、同じ種の個体だけでなく、競争相手、捕食者、餌、寄生者や病原体、共生者と相互作用しながら生活をする。異なる種の生物同士がお互いの影響を受け合って進化していく。

海の平均の深さは3800m、地表に暮らすスペースより海の世界は容積が大きく、海には未知なる生物や生活が種々多様存在するのだろう、、、人間も生物だから進化していく。私たちの星、地球だって進化している。環境に関わりながら、体も意識も進化するのが自然の流れなのだろう。

振り返れば社会人になりたての頃、女たちは「化石みたい!」と言っていた。あれから 20 数年経過、男であれば日本組織社会でサバイバルする一方、頑張っていた優しい友人たちが闘病生活し、最も体力のあった友人も、終に早期退職したと聞く。女が生きにくいというのは多様な人々にとっても生きにくく、日本型組織社会は生物にとって厳しい環境なのだと思う。だから少子化になるのだろう。

激しく変革する今の時代、競争社会で格差が生じる。進化の過程で、たこつぼ社会からオープンシステムになるということは、フリーターなどの労働形態が増えることになる。種の保存を考えるとフリーターであっても生活が継続できることが大切なのだ。

ヒトが身近な問題に向き合い体験しながら反省し、自分らしく生きて、意識が進化していくうちに、自我がなくなり、助け合いの精神が生まれ、自然と一体となり、やがては仙人のようにシンプルスローライフをするのかもしれない。人類絶滅となる前にヒトの意識が進化することで地球環境保全してほしいものだ。シーラカンスは頑固オヤジなのか、ひょっとして海の仙人かも!などイメージを膨らまし、4億年もまあ!!!と感心してしまうのだ。